
2025年6月17日(日本時間)ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が、ついに投手としての復帰登板を果たします。彼はこれまでに二度、右肘のトミー・ジョン手術を経験しており、そのたびに不屈の努力で復活してきました。これを、乗り越えられるのも、大谷翔平選手だからこそではないかと思います。
そんなニュースを見て、15年以上前にピッチャーをしていた自分の記憶がよみがえりました。今回は、自分の経験も交えながら「昔と今の投手育成の違い」や「大谷選手の復帰の意味」について、詳しく書いていきます。
僕の経験:投げまくって壊れた肩
小さいころから野球一筋で、ずっとピッチャーをしてきました。あの頃は「投げることが練習」という価値観が当たり前。今の時代のように、何かを参考にしながらではなく、ひたすら指導者の指示の下、中学・高校では、1日に何連投もするのが普通で、300球以上を投げた日もありました。その、努力もあり、活躍できた時もあったのは確かです・・・(笑)
でも、その結果、学生時代には肩を痛め、思うようにボールが投げられなくなりました。当時はケガ=根性不足と言われるような時代で、痛くても我慢して投げ、だましだまし投げ続けた記憶があります。
さらに、当時は今ほど筋トレの重要性も理解されていませんでした。筋肉痛になると次の日に投げられないからと、筋トレを避けていたのです。筋トレから逃げていました。筋肉痛で、思うように投げれなかったら、いいパフォーマンスが出せない、それで、指導者から使ってもらえない・・・など、負の連鎖がつながっていたのかなーと思います・・・・(笑)今思えば、肩や肘を守る筋力をつけておけば、違った未来があったかもしれません。
大谷翔平の肘手術とその影響
大谷選手はこれまでに2度、トミー・ジョン手術(内側側副靱帯再建術)を受けています。
- 2018年:MLB1年目の後に1度目の手術
- 2023年:再び肘を痛め、2度目の手術
この手術は多くの選手が受けるようになっています。むしろ、その診断があったら、関節周りの強化が図れ、積極的に手術する時代になっています。しかし、2回目となると再発のリスクや球速・制球への影響が高くなると言われています。特に、肘に影響が強いといわれている、スライダーなど(大谷選手の場合はスイーパー)は特に、肘に負担が多いといわれています。だから、大谷選手は術後、投球練習を開始した後も、スライダー系の球種は最後のほうで投げるようにしていましたよね!! そんなのも乗り越えて、それでも復帰する大谷選手は、まさに現代スポーツ医学と個人の努力の結晶です。
昔の育成法:「投げ込み・走り込み」中心の時代
僕が現役だった頃は、とにかく「投げろ」「走れ」の時代でした。夏の炎天下でも投げ込みを続け、走り込みも休まずに行うのが当たり前。フィジカルというより「精神力」が重視されていたように思います。肩や肘は消耗品という言葉はありませんでしたよ(笑)
メリット
- スタミナや球持ちの向上
- 試合での粘り強さが身につく
- メンタルの強化(と信じられていた)
デメリット
- 故障リスクが非常に高い
- 投げすぎで技術が崩れることも
- 体のケアや栄養管理が軽視されがち
- 質よりも、量をこなすことで精いっぱい、集中力が保てない・・・怪我にもつながる・・
現代の育成法:フィジカルトレーニングと球数制限の時代
今では科学的アプローチが進み、投手の育成法も大きく変わりました。
- 球数の制限(高校野球でも導入)
- 体幹・筋力トレーニングの重視
- フォーム解析やデータによる指導
メリット
- ケガの予防と長期的なキャリア維持
- 個々に合ったトレーニングが可能
- ピッチング技術の向上が効率的に行える
デメリット
- 投げ込み不足で「実戦慣れ」が弱くなることも
- 精神的な耐性の面で不安が残る選手も
大谷翔平は旧世代と新世代の融合
大谷選手は、昔の日本的な根性論の中で野球を始めつつも、アメリカで最新のトレーニング理論と医療体制を吸収しています。まさに「旧世代と新世代の融合体」と言える存在です。最後の夏で甲子園で投げることはできなかったですが、日本での”いい文化”仲間の大切さ、武士の精神も持っているのではないかと思います(笑)
彼の復帰登板は、ただの一試合ではなく、今後の投手育成の在り方や「投げるとは何か」を問い直す大きな意味を持っているのではないでしょうか。
まとめ:ピッチャーとしての過去と未来に想いを込めて
15年前に壊れた肩、走って投げた日々、それでもマウンドに立ちたかった自分。
そして今、最新技術を駆使して再びマウンドに戻ろうとしている大谷翔平。
時代は変わっても、「投げる覚悟」だけは変わらない。そんな思いで、明日の登板を見届けたいと思います。 本日も読んでいただきありがとうございました。 肩を壊した元ピッチャーの僕だからこそ、伝えたかった話です。読んでくださって本当にありがとうございます。

コメント