佐々木朗希のインピンジメント症候群に思うこと|元ピッチャーと看護師の目線から

2025年、佐々木朗希選手がインピンジメント症候群により戦線離脱。 野球ファンとしてはもちろん、元ピッチャーであり看護師でもある自分にとって、このニュースは人ごとではありませんでした。というか、佐々木選手を応援していた身としては、やっぱりという思いと、残念な思いが入り混じっていました・・・

インピンジメント症候群とは?

肩関節で起こる「インピンジメント症候群」とは、投球動作などによって腱板や滑液包が骨と擦れて炎症を起こす状態です。 多くは使いすぎ、フォームの乱れ、筋力バランスの不均衡などが原因とされ、特にピッチャーに多く見られる障害のひとつです。 このような、ことがないように凄い時間をかけ、そして色々な方から見てもらい、助言をもらいながら準備、試合をしていくのです

ただし、軽症であれば休養やリハビリで回復することが多く、実際には「大きな離脱」にはつながらないこともあります。 それだけに、今回の朗希の長期離脱は、ただの炎症ではない背景があるのでは?とも感じてしまいます。野球、特にピッチャー経験者では、特にそのような感情を持ったのではないのかなーと思いました。そして、頭に浮かんだのは、今まで大事に育てられすぎたからでは・・・・という感情を持った人は少なからずいたと思います

朗希は“温室育ち”なのか?

プロ入り後、佐々木朗希選手はとにかく大事に扱われてきた印象があります。 高校時代の決勝を回避し、プロ入り後も連投や無理な登板を避けながらの登板管理。日本では中6日よりも、短いスパンでローテーションをしたことはありませんでした・・・ 一部では「過保護」「温室育ち」などと揶揄される声もあります。

でも、僕はそうは思いません。 怪我を未然に防ぐことは、選手寿命を延ばすうえで今や常識。 むしろ「無理をしすぎて肩を壊した」自分のような世代のピッチャーから見れば、 最新の医療・育成環境を活かして大事に育てられているという事実は、称賛されるべきです。そして、佐々木選手のような、日本の宝といっても過言ではない逸材をみにしたら、そのような起用になるのは致し方ないように思えます。

僕の体験:投げすぎて肩を壊した10代

僕は小さいころからピッチャーをしていて、1日何連投も当たり前のようにやってきました。 筋トレ文化もまだ浸透しておらず、筋肉痛になったら投げられないからと、トレーニングすら控えていた時代。

最終的に、肩を痛めて、納得のいかない形で野球人生を終えることになりました。 今振り返ると、身体のサインにもう少し耳を傾けていれば、未来は違ったかもしれないと思う。そして、今の時代のように調べられる環境があったら、それもまた変わったのではないかと思います。何もかも、人のせいのようにしてすいません・・・(笑)

医療者の視点で見る朗希の“異常”

インピンジメント症候群で「即離脱」となった背景には、本人の違和感の感度の高さがあるとも思います。 「我慢して投げる」のが当たり前だった時代と違い、今のトップ選手は、少しでも違和感があれば休む。 これは決して弱さではなく、選手生命を守る強さだと僕は思います。

ただ、それでも違和感が何度も出るということは、筋力のアンバランスやフォームのクセ、肩甲骨周囲筋の問題など、 どこかに根本原因があるはず。それを潰せない限り、また再発するかもしれません。そして、今の時代はそれを見つけてくれる優秀な人、環境があると思います。だから、少年野球をしている皆、恐れずに相談したらいいと思うよ!!!

これからの朗希に必要なこと

メジャー挑戦が近づくなかでのこの離脱は、当然ながら評価にも影響します。 今後、万全の状態に戻らなければ、いわゆる“メジャー降格”も現実味を帯びてくるでしょう。

でも、それは今こそ本気で身体と向き合うチャンスだということ。 筋力、柔軟性、フォームの再構築。すべての点で自分を再定義できる時期でもあります。

朗希ならできる。 160kmの速球だけじゃない、身体と向き合う力も、すでに彼は持っているはずです。

最後に:僕から佐々木朗希へ

僕は、肩を壊した元ピッチャー。 そしていま、身体と向き合う仕事(看護師)をしています。

無理して投げた先に何があるのか。 投げられない悔しさをどう乗り越えるのか。

今の朗希の苦しさは、きっと僕らには計り知れない。 でも、ファンも、チームも、日本の野球界も、みんながあなたの復活を信じています。

決して無理はせず、自分を信じて。 もう一度マウンドに立つあなたを、心から待っています。

ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。

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