


かつて「潰れない業種」と言われた病院。
ところが今や、地方の個人病院だけでなく、全国規模の総合病院までもが閉院・倒産する時代になってきました。
私は看護師として10年以上現場に立ち続け、数多くの医師・医療従事者と話してきました。
その中で肌で感じるのは、「医療の価値は高まっているのに、現場の待遇や経営は厳しくなる一方だ」という矛盾です。
今回は、「なぜ病院が潰れているのか?」
「診療報酬改定は現場にどんな影響を与えているのか?」
そして、「それでも医療の素晴らしさとは何か?」
そんなテーマで、今の医療業界のリアルをお届けします。

病院が潰れる時代になった理由とは?
ニュースでも度々見かける「病院の閉院」や「経営難」ですが、決して他人事ではありません。
主な理由は以下の通りです。
- 少子高齢化による患者数の減少(特に若年層)
↓(今後の日本情勢をこの記事に書いてます)↓
https://skmtsakaryu.com/%e4%bb%8a%e5%be%8c%e3%81%ae%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e6%9c%aa%e6%9d%a5%ef%bc%88%e7%b0%a1%e5%8d%98%e8%a7%a3%e8%aa%ac%ef%bc%89/ - コロナ禍以降の外来・入院数の大幅減
- 診療報酬の抑制政策
- 固定費(人件費・建物維持・医療機器)が重くのしかかる
- 働き方改革による人手不足とシフト制限
私の知り合いの開業医もこう話していました。
「医療を続けたい気持ちはある。でも経営がもたない。人件費も、電気代も、すべてが上がってるのに診療報酬は据え置き、もしくは減額。もう限界に近い」と。

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診療報酬改定が医療現場に与えた影響
診療報酬とは、医療機関が保険診療で得られる“売上”のようなもの。
1点10円で計算されています!
この報酬が引き下げられると、医療現場の経営は大打撃を受けます。
例えば…
- 急性期から回復期への移行スピードが加速
→ 患者さんはどんどん早期退院へ - 在宅医療や訪問看護へと診療の方向性がシフト
→ 病床での医療モデルが崩れる - 短期集中型のリハビリ、入院期間の制限
→ 看護の時間は短く、業務は過密に - 外来点数の減額で、外来だけでは経営が回らない
正直、看護師としても戸惑うことが多いです。
僕が就職して10数年で医療の状況は凄く変わってます。
「もう少し入院して経過を見た方がいい」と思っても、点数の関係で早期退院が優先される。
命や生活の質を考えた医療より、“点数で決められる医療”が進んでいることに違和感を感じます。
医療従事者の給料はなぜ上がらないのか?
経営が苦しい中で、一番抑えられるのが「人件費」。
その結果、看護師・医師・リハビリ職などの給与はほぼ横ばい、むしろ下がることもあります。(この一文は衝撃なことですよね)
業務量は増え、責任も重くなる一方で、報酬は据え置き。
離職するスタッフも多く、現場は常にギリギリの人員で回している状態です。
私自身も、「夜勤明けでフラフラなのに残業」「連休は取れない」「スキルアップの余裕もない」といった日々を経験してきました。
でも、それでも患者さんからの「ありがとう」で報われる瞬間もあって…そこに支えられています。
医師や看護師の“転職”は当たり前の時代に

以前は、「医師は一つの病院で長く働く」「看護師は一生病院勤務」というイメージが強かったと思います。
でも今は違います。
- 医師の側もクリニック開業から訪問診療へとシフト
- 看護師も病棟→訪問看護→企業看護師へと多様な選択肢へ
- 夜勤の負担を避け、介護施設や健診センターへ転職する人も増加
医療業界も、かつての「安定職」とは言えない時代。
だからこそ、自分のキャリアや働き方を柔軟に考える必要があります。
それでも、医療の仕事は“誇り”である
ここまで、厳しい現実を書いてきました。
でも私は、医療の仕事を「やりがいのない仕事」だとは決して思っていません。
むしろ、どんな時代になっても、
**「人の命と向き合う」「誰かの人生に寄り添う」**という意味では、これほど誇れる仕事は他にないと感じています。
経営や制度に振り回されながらも、必死で患者さんを支え続ける仲間たちを、私は心から尊敬しています。
最後に:読者のあなたへ
病院が潰れるなんて考えられなかった時代は、もう終わり。
医療業界も“選ばれる時代”に入っています。
それでも私は、この仕事を通じて、
「人の命を支える現場にいることの意味」
を強く感じ続けています。もしあなたが医療の仕事に興味を持っているなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。
きっと、数字には表れない「本当のやりがい」が、そこにあります。
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