福岡の大雨・洪水時に医療者ができること:避難の即断、健康被害の予防、地域に根ざした支援の実践

健康

はじめに:福岡の雨期は「準備と実践」で乗り切れる

線状降水帯や前線性大雨が長引くと、筑後川・矢部川・遠賀川水系や都市部のアンダーパスで急速に水位が上がることがあります。まずは“命を守る情報”へ最短でたどり着ける動線を家族全員で共有しましょう。気象庁の危険度分布「キキクル」、国交省「川の防災情報」、国土地理院「重ねるハザードマップ」は、避難判断の三種の神器です。

気象庁+1ハザードマップポータルサイト


警戒レベルの正しい理解:レベル4までに必ず避難

避難情報は5段階。レベル4(避難指示)までに必ず避難することが原則です。レベル5はすでに命が危険な段階で、発令を待ってはいけません。夜間前・増水前の“早めの移動”が鉄則。防災庁+1


逃げ遅れをゼロにする情報動線(福岡版ブックマーク)


アンダーパス・冠水路は絶対に入らない

短時間で水が溜まるアンダーパスは致命的。冠水路は深さ・側溝・マンホールの“見えない落とし穴”があり、徒歩も自転車もNG。車はドア半分の水位で内側から開けられなくなることがあります。国土交通省国土交通省測量技術センター東京福祉支援センター


避難所の感染症対策と暑熱対策:医療者の腕の見せどころ

  • 手指衛生・清掃・換気を仕組みで回す:エタノールやウェットティッシュの配布、共用部の定期消毒、清掃当番表で“持続可能”に。厚生労働省防災庁
  • 熱中症警戒アラート/特別警戒情報:WBGTを確認し、必要時は**クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)**の開放を案内する。wbgt.env.go.jp+2wbgt.env.go.jp+2気象庁
  • DICT(災害時感染制御支援チーム)の知見も活用:避難所の感染管理の専門支援。厚生労働省

福岡の家屋が浸水した後:消毒は“清掃と乾燥が先”、濃度は科学的に

清掃→乾燥→適切濃度で消毒→水拭きの順番で。厚労省が示す目安:

  • 食器・流し台・浴槽:次亜塩素酸ナトリウム0.02%に5分浸漬または拭き取り→水洗い。
  • 家具・床:次亜塩素酸ナトリウム**0.1%**で拭き上げ(仕上げに水拭き、変色注意)。
  • 金属・木部など:**消毒用アルコール(70%以上)**で拭く(火気厳禁)。
  • 手指:可視の汚れは流水と石けんで、必要時アルコール。
    ※酸性洗剤と混ぜるな危険厚生労働省+1

薬・お薬手帳:災害時の“継続医療”を止めない

  • お薬手帳(紙/電子)と常用薬1〜2週間分を持ち出し袋へ。電子手帳はマイナポータル連携で服薬情報を確認できるもの。厚生労働省+1
  • 被災で受診困難な場合でも、お薬手帳・薬袋・薬歴で処方内容が明らかな慢性薬は暫定対応が認められた事例があります(災害時の特例運用の通知)。厚生労働省

清掃・片付け時の健康被害を防ぐ:レプトスピラ症ほか

泥水やネズミ尿で汚染された水・土壌からのレプトスピラ症のリスク。長靴・厚手手袋・ゴーグルで皮膚の傷口を守り、帰宅後は石けんでの手洗い→乾燥を徹底。発熱・筋痛・結膜充血などが出たら早めに受診を。IDSC感染症情報センター


停電時の安全:発電機は屋内厳禁・浸水家電は使わない

  • 携帯発電機は屋内・車内・テント内で絶対に使用しない(CO中毒の致死事故)。排ガスは開口部から離す。環境省+1
  • 浸水した家電は通電しない。復旧時の通電火災にも注意。経済産業省
  • 冷蔵庫は停電4時間超過や庫内温度5℃超の生鮮食品は廃棄を。迷ったら捨てる。CDC

備蓄の現実解:水は1人1日3L、まずは3日、できれば7日

内閣府や農水省の目安は1人1日3L×3日分。可能なら**7日分(21L)**をローリングストックで。防災庁農林水産省政府オンライン


こころのケア:医療者自身のメンタルも守る

24時間対応の**こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)**や、国立精神・神経医療研究センターの資料を共有。支援者のメンタル保護もチームで。厚生労働省災害時こころの情報支援センター+1


福岡での“つながる支援”先


まとめ(コピペ用チェック)

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