ニュースで診療報酬改定の話が出るたびに、現場はザワつきますよね。
「結局しわ寄せは現場」「忙しさは増えるのに給料は…」って、思うのが自然です。
ただ、今回の改定は医療機関がつぶれないことと人が辞めないことが、かなり正面から論点に上がっています。実際、政府は2026年度の診療報酬本体を+3.09%とし、内訳として賃上げ対応1.70%、物価対応0.76%などが示されています。 MIXOnline
「賃上げ」と「物価」を名指しで枠を作ったのは、現場にとって小さくないサインです。
そもそも診療報酬改定って何?|病院の売上(=原資)が変わる
診療報酬は、医療機関の収入の設計図。ここが変わると、病院の収入構造が変わります。
だから看護師にとっても、人員配置・夜勤体制・業務のあり方・給与(手当)まで波及します。
どこが改定されそう?|現場目線で押さえる「4つの改定ポイント」
※最終的な点数配分はこれから詰まりますが、議論の方向性として重要です。
① 人材確保(看護師)|夜勤手当・配置・働き方に報酬で支援の論点
中医協の議論では、看護師確保が難しい現状を踏まえ、夜勤手当の増額を診療報酬で後押しできないか、さらにICT活用を前提に看護配置を柔軟化できないかといった論点が挙がっています。 GemMed | データが拓く新時代医療+1
ここは、現場がいちばん報われてほしい部分。
「夜勤できる人がいない→基準を満たせず減算→ますます人が辞める」という負の連鎖を止めにいく議論が出ているのは希望です。 GemMed | データが拓く新時代医療
② 物価高への対応|食材・光熱費・材料費の上昇が経営を直撃
厚労省資料でも、食材料費や光熱費など物価高騰を踏まえた対応が方向性として例示されています。 厚生労働省
現場感でいうと、物品の値上がりは静かに確実に病院体力を削ります。
報酬が上がっても、コスト上昇がそれ以上なら、給与原資は増えません。
③ 医療DX・ICT|現場を楽にする方向に振れる可能性
同じ厚労省資料では、医療DX(マイナ保険証、電子処方箋、電子カルテ情報共有など)を進める方針も示されています。 厚生労働省
DXは「仕事が増える」側面もありますが、うまく設計されれば、記録・情報連携・薬剤関連・書類が減り、看護師の戻り作業を削れます。
ここは「現場が得する形」に寄せられるかが勝負です。
④ 適正化(マイナス)も同時に走る|外来・薬・かかりつけ医の見直し
改定率の内訳には「適正化」マイナスも含まれています。 MIXOnline
さらに、財政審側からは、かかりつけ医機能の報酬上の再構築や、外来領域の見直し提案なども出ています。 MIXOnline+1
要するに、「上げる所は上げる、整理する所は整理する」。
このメリハリが強くなるほど、病院は算定できる体制づくり(人・仕組み・ICT)が重要になります。

病院の赤字はどうなる?|すでに限界に近いデータが出ている
現状、病院経営はかなり厳しいです。
- 帝国データバンクの調査では、2024年度に病院の61.0%が営業赤字、債務超過13.6%、営業利益率平均は△1.76%とされています。 TDB
- 病院団体の定期調査でも、2025年6月時点で医業利益が赤字の病院割合は84.6%、経常利益でも赤字が75.4%という厳しい状況が示されています。 ajhc.or.jp
この状態で「現場だけで頑張れ」は無理です。
だからこそ今回、改定の枠組みに賃上げ対応や物価対応が明確に入ったのは大きい(=経営がもたないが前提に置かれた)と言えます。 MIXOnline+1
看護師の給料はどうなる?|上がる可能性はある。でも勝負は「配分」と「現場への落ち方」
期待したいポイントはここです。
- 改定率の内訳に賃上げ対応(1.70%)が明示されたこと MIXOnline
- 看護の領域で、夜勤手当支援や配置の議論が現実に進んでいること GemMed | データが拓く新時代医療+1
ただし、現実はこうです。
- 物価・材料・光熱費が上がれば、報酬の増分はまずコストで消える
- 病院は赤字比率が高く、賃上げ分を満額で回せない施設も出る TDB+1
つまり、給料は「必ず上がる」と断言はできない。
でも、「上げる設計にしないと人が残らない」ところまで来ているのも事実。ここは希望を持っていいです。 GemMed | データが拓く新時代医療

希望を持つために|現場のあなたに届けたい3つの現実的な作戦
1) 「あなたの仕事」を数字にする(守りじゃなく、交渉材料)
病院が動くのは気合いより根拠。
転倒、せん妄、急変対応、退院支援、感染対策――看護は成果が見えづらい。だからこそ、ヒヤリ件数・夜勤負担・受け持ち重症度・退院調整件数みたいに、チームで可視化していくと強いです。
2) 夜勤・配置の負のループを「仕組み」で断つ
夜勤できる人が減るほど、残る人が削れる。
この構造は個人の根性では解決しません。
だから、ICTで減らせる作業(記録・連携・物品・書類)を潰す、タスクの再設計を「提案できる人」は現場で価値が上がります。 厚生労働省+1
3) 医療が崩れない未来に、自分が残る選択をしていい
看護師って、きつい。でも、誰かの人生の節目に立ち会える仕事です。
だからこそ、「辞めない美学」じゃなくて、続けられる形に変えていく勇気が必要。
部署異動、勤務形態変更、学び直し、副業、発信――全部「逃げ」じゃない。あなたが燃え尽きないための戦略です。
まとめ|改定は追い風になり得る。追い風を「現場に届く形」にしよう
2026年度改定は、賃上げと物価高を正面から扱い、看護の夜勤や配置にも議論が及んでいます。 MIXOnline+1
一方で、病院経営は赤字が広がっており、上がった分がそのまま給料に直結しないリスクもあります。 TDB+1
だからこそ大事なのは、
「改定があるから頑張れ」じゃなくて、改定を現場が報われる仕組みに変えていくこと。
看護師が疲れ切った社会に、いい医療は残りません。
あなたの仕事は、ちゃんと価値がある。価値が届く形にしていきましょう。

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