※この記事は一般的な健康情報です。すでに糖尿病治療中(特にインスリンやSU薬など)・腎機能低下・妊娠中の方は、食事法の変更で低血糖などが起こり得るため、主治医/管理栄養士に確認してください。
はじめに:糖尿病は「インスリンが足りない」だけじゃない
糖尿病(主に2型)はざっくり言うと、
①インスリンが出にくい(分泌低下) + ②効きにくい(抵抗性) が重なって血糖が上がりやすくなる状態です。
そして日本人を含む東アジアでは、欧米と比べて肥満が強くなくてもβ細胞(インスリンを出す細胞)の力が弱くなりやすいことが特徴として語られます。つまり「太ってないから大丈夫」が通りにくい。 PMC+2SpringerLink+2

まず結論:糖尿病(予備軍)が避けたい血糖値クラッシャー食事
- 夜にドカ食いしやすい/帰宅が遅い
- 「何食べる?」で迷って、結局炭水化物寄りになる
- まずは食事の質を安定させたい(継続が最優先)
「何がダメ?」に先に答えると、危険度が高い順にこのへんです。
【1】砂糖入り飲料(ジュース/甘いカフェドリンク/スポドリ)
液体の糖は吸収が速く、血糖スパイクの王様。
ADA(米国糖尿病学会)も、砂糖入り飲料や精製穀物・添加糖の多い加工食品は最小化を強く推しています。 糖尿病ジャーナル+1
【2】「主食ドカ食い」+「早食い」
白米・パン・麺などを単品で大盛り、さらに早食いだと上がり方が鋭くなります。
【3】夜遅い食事・寝る前の炭水化物
同じ内容でも時間で血糖は変わる。
2型糖尿病では「遅い夕食」が血糖コントロール不良と関連した報告があります。 J-STAGE
【4】超加工食品(お菓子・菓子パン・スナック中心)
栄養が薄いわりに食べやすく、総摂取カロリーが増えがち。超加工食品摂取と2型糖尿病リスクの関連を示す研究レビューも増えています。 e-DMJ

「日本人に多い」って本当?世界の中での日本
IDF(国際糖尿病連合)のデータでは、日本は糖尿病の成人患者数が世界でも上位グループ(Top10)に入るとされています(推計値)。 Diabetes Atlas+2International Diabetes Federation+2
背景としては高齢化の影響も大きい、という見立てもあります。 PMC
白米が原因?→「白米だけが悪」ではないが、量が多いほどリスクは上がりやすい
白米は悪者にされがちですが、ポイントはここです。
- 白米は精製されていて食物繊維が少なく、GI(血糖の上がりやすさ)が高めになりやすい
- 主食としての摂取量が多いと、全体の糖質量(食後血糖の高さ)が増えやすい
実際、日本人の大規模研究(JPHC研究)では、白米摂取量が多いほど2型糖尿病発症リスクが高い(特に女性で有意)と報告されています。 PubMed+1
さらに白米摂取と2型糖尿病リスク上昇は、アジア人で目立つとしたメタ解析もあります。 PubMed+2PMC+2
✅じゃあどうする?(現実的な落とし所)
- 白米をゼロにするより「量を減らす」+「食べ方を変える」が続きやすい
例:小盛り、雑穀/麦混ぜ、おかず先、よく噛む
- 冷めたご飯はGIがやや下がる可能性を示した研究もあります(差は小さめでも、積み重ねとしてはアリ)。 J-STAGE

江戸時代の糖尿病はどうだった?:結論「ゼロではないが、今より見えにくく・少なかった可能性」
江戸〜明治以前も、糖尿病らしき病態は「消渇(しょうかつ)」などとして古くから知られていた、という医学史の整理があります。 PubMed+1
ただし当時は
- 血糖検査がない(診断がつかない/記録に残りにくい)
- 肥満が今ほど多くない、生活活動量が多い
- 砂糖や超加工食品が現代ほど日常的でない
という理由で、現代ほど大量発生しにくい環境だった可能性は高いです(ここは推論)。
そして歴史で面白いのが「白米の普及」と「脚気」。
精米が広がると、ビタミンB1不足で脚気が流行したことが、疫学史として整理されています。 PMC
つまり白米は、糖尿病というよりも「単一主食に偏る危うさ」を象徴する存在でもある、って話です。
高血糖を放っておくとどうなる?(合併症は静かに進む)
高血糖は、細い血管も太い血管も傷つけます。
- 細小血管障害:網膜症、腎症、神経障害
- 大血管障害:心筋梗塞、脳卒中
特に食後高血糖(食後スパイク)が血管障害と関連する、というレビューもあります。 PubMed+2糖尿病ジャーナル+2

「ベジファースト」って本当にいいの?→日本発の研究でかなり筋がいい
ベジファースト(厳密には野菜→たんぱく質/脂質→炭水化物)は、わりとガチです。
日本人2型糖尿病で
- 野菜を先に食べると、食後血糖・インスリンが下がる
- 長期の血糖管理にも良い影響が見られた
という報告があります。 PMC+2apjcn.qdu.edu.cn+2
さらに近年も「食べる速さより、野菜を先にする順番が効く」示唆が出ています。 MDPI
✅今日からのルール(超かんたん)
- 最初の5分:野菜/海藻/きのこ
- 次の5分:肉・魚・卵・豆腐
- 最後に:ご飯/パン/麺
16時間ダイエット(時間制限食)は糖尿病に効く?→効く人もいるが、条件つき
時間制限食(例:16:8)は、体内時計に合わせて食事時間を整えることで代謝に良い可能性があり、糖尿病・予備軍での有用性や安全性を検討したレビューもあります。 PMC+2ランセット+2
ただし注意点が超重要。
- 薬(インスリン/SU薬)を使っている人は低血糖リスクが上がり得ます
- 実施するなら調整の考え方が提案されています(自己判断は危険)。 PMC
✅おすすめの現実解(予備軍向け)
- いきなり16時間より、まずは
「夜食をやめる」「夕食を早める」「12時間の食事窓」
→これだけで血糖が安定する人が多いです。

間食はどう影響する?→「内容」と「タイミング」で毒にも薬にもなる
- 「間食だけがどうしても止まらない」
- 夕方〜夜にドカ食いスイッチが入る
- まずは血糖値が荒れる原因を1つ潰したい
基本は、間食=悪ではありません。問題はここ。
- 甘いお菓子・菓子パン・砂糖飲料:血糖を上げやすい
でも、研究では昼と夕の間に離して摂る間食が、夕食後の血糖変動を抑える可能性も示されています(2型糖尿病で)。 PubMed+1
✅血糖にやさしい間食の型
- 無糖ヨーグルト、ナッツ少量、チーズ、ゆで卵
- どうしても甘いもの食べるなら「量を決める」+「食後に回す」
じゃあ結局、糖尿病を遠ざける生活って何?
食事だけでなく、生活環境(睡眠・運動・ストレス・体重)の合算で決まります。
今日から優先順位ベスト5
- 甘い飲み物をやめる(最強) 糖尿病ジャーナル+1
- 主食は小盛り+ベジファースト PMC+1
- 夕食を遅くしない J-STAGE
- 週2〜3回の筋トレ+歩く(筋肉は糖の貯金箱)
- 健診(HbA1c/空腹時血糖)を定期的にチェック

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