要点(60秒で理解)忙しい方はここだけでも!!
・夜勤は体内時計(概日リズム)を“ズラす”のではなく守る・ずらしすぎない・素早く戻すが基本。
・アンカー睡眠(最低でも毎日3–4時間、固定時間に眠る)+戦略的な仮眠(20分 or 90分)で土台を作る。
・Apple Watchは睡眠時間・効率・心拍(HR)・HRV・皮膚温/体温傾向の変化を見る“ダッシュボード”。深い睡眠“時間”は執着しすぎない。
・光(朝日/ブルーライト)・カフェイン・食事・温度の4つを“時間割”でコントロールすると回復が速い。
なぜ夜勤は眠れなくなるのか(超要約)
- 体内時計は約24時間周期。夜勤で大きくずれるほどメラトニン分泌とコルチゾール(ホルモン)の立ち上がりがチグハグに。
- 朝の強い光を浴びると“朝”だと身体が判断→帰宅後に眠りにくい。
- 交代のたびに完全に時差調整はしない。崩れを最小化し、明けたら素早く基準に戻すほうが体調は安定しやすい。
Apple Watchで“夜勤に強い”睡眠管理をする(設定と使い方)
1) 初期設定(必須)
- iPhone「ヘルスケア」>睡眠
- 睡眠スケジュール:通常勤務日の就寝/起床を登録(“アンカー睡眠”の時間帯を基準化)
- 睡眠フォーカス:自動オン。仮眠前も手動でオンにすると検出精度が上がる
- Watchのアラーム:バイブのみにして家族に配慮+スヌーズは1回まで
- コンプリケーションに睡眠・心拍・マインドフルネスを配置
2) データの見方(“増やす”より“乱れを早く見つける”)
- 合計睡眠時間:6.5–8.0h/日(夜勤日の合算でOK)
- 睡眠効率(=ベッド滞在に対する実睡眠):85%以上を目標
- 安静時心拍(RHR):普段+5以上が2日続けば要リカバリー
- HRV(心拍変動):自己平均からの低下は疲労/ストレスのサイン
- 皮膚温/体温傾向:上振れ+睡眠効率低下は感染兆候/過労を疑う
- ステージ(レム/ノンレム)は傾向のみチェック。“深睡眠を何分”にとらわれない
3) 仮眠の記録コツ
- 仮眠前に睡眠フォーカスをオン→照度を落とす→タイマー
- 20分ナップはタイマー18–20分、90分ナップは100分(入眠までの余裕)
- 細かく管理したい人はAutoSleep / Pillowなどのアプリを併用(ナップ可視化が得意)
夜勤パターン別:具体的スリープ戦略
A. 連続夜勤(2~3連)
目的: 完全に夜型化しない。アンカー睡眠を維持しつつ、勤務直前の眠気ピークを作る。
前日
- いつもの就寝時刻に3–4時間のアンカー睡眠(例:03:00–07:00)
- 午後に90分ナップ(15:00–16:30)。起床後に強い光+軽食でスイッチON
勤務中
- 0:00–3:00の間に20分ナップ(眠気の谷を越える)
- カフェインは勤務開始~深夜1時まで。それ以降はカット
明け(帰宅)
- サングラス+直射日光回避→帰宅後シャワー→軽食→遮光で3–4時間
- 起床したら散歩+明るい光で体内時計を戻し過ぎない
- 夜はいつもの就寝の-1hで就寝(リセット準備)
B. 単発夜勤(1回のみ)
目的: なるべく通常リズムに復帰する。
当日午後:90分ナップ
勤務中:1回20分ナップ、カフェインは**~1:00まで**
明け:帰宅後3hだけ寝る→昼過ぎに起きて光浴びる→夜は通常就寝
C. 2交代・3交代で“早・遅・夜”が混ざる
- **“早番→夜勤”の間はアンカー睡眠(3–4h)**だけでも確保
- “夜→早”は90分ナップ+合計6.5h以上を2回に分けて確保する発想へ
戦略的ナップ(仮眠)の正解
- 20分:眠気のリセット(深睡眠に入らない)
- 90分:1サイクル消化。起床後に光+水分+軽食
- “カフェイン+20分”:摂取→すぐ仮眠→起床時に効き始める(深夜帯の王道)
- 注意:仮眠は勤務に支障がない範囲で、職場ルールを遵守
光・カフェイン・食事・温度を“時間割”で管理
- 光:
- 夜勤入り:勤務前は明るい光で覚醒
- 明けの帰宅:サングラス+遮光、部屋は真っ暗(遮光1級+アイマスク)
- カフェイン:就寝の8時間前以降はNG(夜勤なら1:00以降カット)
- 食事:
- 夜間は軽め(消化負担↓):たんぱく質+低GI炭水化物+味噌汁など温かい汁物
- 明け後:軽食→睡眠→起床後に主食で整える
- 温度:入眠時は室温18–22℃目安、寝る30分前に入浴(38–40℃×10–15分)
Apple Watch × 夜勤の“1週間テンプレ”
例:夜勤2連(木・金)
- 火:通常勤務。23:30就寝 / 07:00起床(アンカー)
- 水:23:30就寝 / 07:00起床(アンカー)
- 木(夜勤1日目):03:00–07:00アンカー → 15:00–16:30 90分ナップ → 夜勤へ
- 金(夜勤2日目):帰宅 9:00 → 9:30–12:30 3h睡眠 → 散歩・光 → 15:00–16:30 90分 → 夜勤へ
- 土(明け):帰宅 9:00 → 9:30–12:30 3h睡眠 → 夕方は屋外で光 → 23:00就寝(通常へ復帰)
- 日:07:00起床(アンカー)
毎日やること(Apple Watch)
- 就寝前後にRHR/HRVのトレンドを確認
- 睡眠効率<80% or RHR+5が2日続いたら負荷を下げる(トレ/残業の調整)
よくある悩みQ&A
Q. 深い睡眠が少ない。悪い?
A. “深い睡眠の絶対量”より合計睡眠時間・効率・日中の眠気を優先。Apple Watchのステージ判定は目安です。
Q. 明けで長く寝ると夜眠れない…
A. 3–4時間で止める→起きたら強い光+外気+軽い散歩。復帰が早いです。
Q. 寝付けずについお酒に頼る
A. アルコールは睡眠分断とRHR上昇の原因。グリシン(3g)や温かい味噌汁などノンアル対策を。
看護師のための“静かな睡眠環境づくり”(最小投資で効く)
- 遮光1級カーテン+アイマスク
- 耳栓(発泡タイプ)+ホワイトノイズ
- 通気の良いマットレス&低反発に傾きすぎない枕(肩・頸部ストレスを減らす)
- 寝室は“冷蔵庫”と“スマホ通知”を排除(ベッド上は睡眠・性・読書のみ)
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日中睡眠の“騒音・光”を断つ
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眠りを“心(ストレス)”から整える
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コピペ用:夜勤日のミニ“ルーティン台本”
- 勤務3–4h前:90分ナップ→起床→強い光→軽食(たんぱく質+低GI)
- 出勤直前:コーヒー or 緑茶
- 深夜1:00まで:必要なら追加カフェイン
- 2:00–3:00:20分ナップ
- 明け帰宅:サングラス→シャワー→軽食→3h睡眠→起床→日光→散歩
- 夜:通常より30–60分早寝→翌朝はアンカー起床
この記事を書いた人(肩書入れお勧め)
現役看護師/脳外科・回復期リハ勤務10年以上/筋トレ歴10年以上。医療現場で夜勤と向き合い続けてきた経験から、無理なく続く睡眠改善を発信しています。
参考・安全について
- 本記事は医療情報の一般的ガイドです。持病・服薬中・強い不眠が続く場合は医師に相談してください。
メラトニンは日本では原則市販されていません。個人輸入・サプリ利用は自己判断せず医療者と相談を。
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